数あるリーンスタートアップ系の本の中から、「成功するためのリーンスタートアップ スタートアップのための20章」を読みましたので、メモと感想を書きます。
リーン・スタートアップとは?
仮説・検証を素早く行い、検証結果から「学び」ながら事業を行っていく手法。 大事なのは仮説がずれてもOKな所。つまり失敗しても問題ないのです。 「得た検証結果からいかに次に繋げるのか」が大事。
プル型生産方式
プル型生産方式とは、マーケットのニーズをトリガーにして生産ラインを稼働させる仕組みで、「マーケットからの要求がないものは一切生産しない」という考え方です。「要求がない」ということはニーズの存在が確認できていないので、生産するすべての製品・サービスは無駄いなる可能性が高いのです。
トヨタ生産方式のジャストインタイムを参考。 こういうニーズがあるのではないか?と仮説を立て、最小限のサービス仕様でどれくらい多くのニーズを満たすことができるか確認する。 確認できれば本格的な製造へ、できなければマーケットがニーズの存在に気づける最小限の修正をする。
リーン・スタートアップの基本
ムダを徹底的に排除して、失敗の可能性をできるだけ早期にみつけること(学びを得る) 得られた学びをすばらく戦略、製品に反映し、計画の修正を繰り返すこと
ビジネスモデルを仮説検証する
事業とは、優れた事業アイディアや製品・サービスがあれば自然と収益がついて来るのではなく、ビジネスモデルを確立することで初めて成立します。 よって、リーンスタートアップによる仮説検証も、製品・サービスの仕様を確認するだけでなく、ビジネスモデルが成立する条件について仮説検証を行う必要があるのです。
ビジネスモデルという定義は幅広く、様々な意見がある。 ビジネスモデルに不可欠な要素。
特に共通するのは「戦略」と「収益構造」について考えるべきとの共通項があります。 一般的に製品やサービスというのは、ビジョンを実現するための戦略に基いて設計された「戦術」の一部だと考えます。
フィードバックループ
リーンスタートアップでフィードバックループを構築する目的は、ユーザーからのフィードバックを得ることです。適切なフィードバックを得ながらより多くを「学び」、ターゲットする課題と提供するソリューションの一致(Problem/Solution Fit)を目指していくのです。スタートアップの最初の段階でまずここを目指すことによって、「誰も欲しがらないサービスを作る」という最大のリスクを回避していくのがリーンスタートアップを実践するメリットなのです。
エバンジェリスト・ユーザー
最初にサービスを試してくれるユーザー。
自分たちが課題を抱えていることを明確に理解している 自分達の課題の内容を理解している すでにその課題に対してなんらかの取り組みを開始している
本当に測定したいもの
測定したいのは「ターゲットしたユーザーにとって、そのサービスが効果的、効率的なソリューションになり得ているか?」という一点です。つまりそのユーザーがあなたのサービスに「熱狂」しているかを測定したいのです。
測定したいのはユーザー数ではなく、熱狂的なユーザーの反応 ユーザー数100万人突破!とかは偽りのメトリクス。本来見るべきものは熱狂的なユーザーの反応。
戦略を持って戦術を試す
戦略という上位概念をチーム内で確実に共有できている状態であれば、仮に多少の戦術選択の失敗が発生したとしてもその失敗自体が常に想定の範囲内に収まり、次の行動への移行が容易になるということなのです。 こうして戦略に基づいて実験を繰り返し実施できる組織=想定外の変化に強いチームが出来上がるのです。
仮に戦術が失敗でも戦略的には間違っていないので、想定外に強いチームが出来る。 その為にはしっかりと「戦略」を決めておく必要がある。
ピボットのタイミング
スタートアップが掲げた戦略に対して、それを証明できる仮説が立てられなくなったり、実施できる検証手段がなくなったら、いよいよ戦略レベルで「ピボット」を検討するタイミングです。
ピボットとは戦略を変えるということ。
感想
新規事業をベースに話は進みましたが、既存事業にも使える手法だと思いました。 例えば「戦略」。 事業として、戦略を立てずに「なんとなくこう思うからこうしてみた」という戦術もどきは多いと感じています。 その後、なんとなくやってみたことがまったくの失敗だった場合、チームの士気は大きく下がってしまいます。 戦略があれば、それに基づいた戦術を立て、仮に失敗しても戦略として間違ったわけでないので、士気は大きく下がることはなく、次の戦術を考えることが出来ます。
次にユーザーの獲得より「誰も欲しがらないサービスを作るというリスクを避ける」というの点ではとても納得しました。 仮にユーザーを100万人獲得しても、結局誰も使わなくなる可能性もあります。 まずは必要とされるものをしっかりと作る必要があり、そこを見極めていくには仮説・検証が重要になっていく訳です。
とりあえず実践してみたいですが、そのためにはリーン・スタートアップに対する理解を得る必要がありますね。